PERT図(アローダイアグラム)の読み方・書き方

PERT図とは?

PERT図は、アローダイアグラムとも呼ばれ、作業の流れと要する日数をわかりやすく表した図です。プロジェクトマネジメントに用いられることが多く、「どの作業が遅れたらどの作業に影響するのか」「プロジェクトの終了まで最短何日要するか」など、全体の日程を把握する点に優れています。

これがアローダイアグラムの例です。

矢印は作業を表します。作業名と作業日数を添えて記載します。

丸は結合点を表します。作業の開始と終了を結びつけるために用いる記号で、1つの結合点から複数の作業を開始することはできません。また、1つの結合点に対して複数の作業が集約するとき、それらの作業がすべて完了していないと注ぎの作業が開始できないことを意味します。

点線の矢印はダミー作業です。1つの結合点から複数の作業を開始することはできないため、並行して行う作業が発生する場合などに用います。

PERT図の書き方

今回は、生姜焼き作りを1つのプロジェクトとしてPERT図を書いていきます。

まずは、プロジェクトに必要な作業を洗い出します。その作業と所要時間、先行作業の整理を行います。

先行作業とは、終わってないと次に進めない作業のことです。材料を買わないと材料を切ることはできませんし、キャベツを切って肉を焼き終わらないとお皿に盛り付けることはできません。

作業先行作業時間
A材料を買う20分
Bキャベツを切るA5分
C玉ねぎを切るA5分
D肉を切るA5分
E肉をタレにつけるD10分
F肉と玉ねぎを焼くC , E7分
G盛り付けるB , F3分
生姜焼きづくりの作業一覧

作業の順番と先行作業を洗い出したら、PERT図の形で表しますが、以下のルールを守ります。

  • スタートとゴールを除き、全ての矢印が前後の結合点とつながっていること
  • 結合点の番号は作業のゴールに近くなるにつれて大きくすること
  • 結合点から出た矢印が再びその結合点に戻る書き方をしないこと
  • 結合点から複数の作業が平行発生するときはダミー作業を用いること

すると、このように記述することができます。

PERT図の読み方

PERT図を読み解いてみましょう。

まず、スタートからゴールまでの、考えられる経路を洗い出します。今回の例だと3パターンあります。

次に、経路ごとに通る作業を足し算してみましょう。点線矢印のダミー作業は足し算に含めません。

  • 青の経路:20 + 5 + 7 + 3 = 35
  • 赤の経路:20 + 5 + 10 + 7 + 3 = 45
  • 緑の経路:20 + 5 + 3 = 28

足し算した結果から、以下のことがわかります。

最短所要日数は、最も早く全ての作業を終了できる時間の事で、スタート~ゴールまでの経路のうち、最も値の大きいものになります。ということで、赤の経路の45が答えですね。
「最短だから最も値の小さいものになるのでは?」と思いがちですが、それだと複数の作業が完了していないと次に進めない作業(図で言うFとG)の条件を無視していることになりますので誤りです。

裏を返せば、最短所要日数の経路は「スケジュールに余裕のない経路」と捉えることができ、その経路上の作業が遅れればスケジュール全体が遅れることになります。このことから、最短所要日数の経路のことをクリティカルパスと言ったりします。

最早結合点時刻は、後続作業に最も早く着手できるまでの時間のことです。例えば、作業FはCとEが完了していないと着手できませんので、それまでの経路の足し算のうち、値の大きな方が最早結合点時刻となります。すなわち、赤の経路の結合地点⑥まで(20+5+10=35)が作業Fの最早結合点時刻となります。

最遅結合点時刻は、期限内にプロジェクトを終えるために着手しなければいけないギリギリの時間の事です。
最初に最短所要日数を計算し、ゴールからスタートまで経路を遡りながら、作業日数を引いていきます。結合点ごとに、値が小さいものがその地点での最遅結合点時刻となります。

それでは、作業Dの最遅結合点を求めてみます。

  • 青の経路:45 – 3 – 7 – 5 = 30
  • 赤の経路:45 – 3 – 7 – 10 – 5 = 20
  • 緑の経路:45 – 5 = 40

となりますので、作業Dは遅くても作業開始から20日後に着手しないとスケジュール通りに間に合わないということがわかります。(単位が日の場合)

コメント

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